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2018年6月5日火曜日

翻訳業界での恩師の方々

あまりブログばかり書いていては本業に障りますが、今回までは書いておきたかったのです。

私には翻訳業界に3人の恩師がいます。

本来であれば、私のキャリアの出発点となった学術書の下訳でお世話になった教授のお名前も挙げるところですが、ご迷惑がかかるといけませんので控えます。

まず、故・横山啓明先生。
先生にはフェロー・アカデミーの「翻訳入門」の授業でお世話になりました。横山先生が、私のことを「将来有望」として認めてくださったので、嬉しくなった私は、先生を最初の師匠にさせていただきました。

横山先生とフェロー・アカデミーの近くのカフェでランチをご一緒した際にサインをいただいたのが画像の翻訳小説です。横山先生が訳された、『変わらぬ哀しみは』という作品です。大変いい小説です。

そのランチの当日、ちょうど日本翻訳者協会のTACミーティングで、私のもう1人の恩師である高橋聡先生が、ご講演の予定でした。

横山先生は、「翻訳者同士のネットワークは大事にしたほうがいい」とおっしゃって、私を会場である渋谷のフォーラム8まで道案内してくださいました。

その日のフォーラム8での高橋聡先生のご講演の第一声は忘れられません。先生は、 開口一番、「みなさん、(これをやめて)花見に行きませんか」と明るくおっしゃったのです。高橋先生に人望が集まるゆえんです。

そのTACミーティングの当日、私は日本翻訳者協会に入会しました。それ以来の日本翻訳者協会とのご縁です。

高橋先生にも授業を受け持っていただいたことがあります。先生には、講義の際に添削原稿をお示しいただいたのですが、その日、帰宅すると、さらに詳しく添削された原稿が自宅のパソコンに届いており、「検討してください」とあったのです。素晴らしいサービス精神と育成意欲の持ち主でいらっしゃいます。

このお二人を巡ってはいろいろな逸話がありますが、ここでは割愛します。

もう1人の恩師が、日本翻訳者協会の重鎮、フレッド・ウレマン氏です。

私が数年前、公私ともに様々なことがあり、ダウンした際、ウレマン氏は私を1人前の翻訳者として扱ってくださって、人生の先輩として親身なお言葉をいただきました。

ウレマン氏はメールで、「大変なことがあった後は時間がかかるものです。静かに見守っています」という旨のお言葉をくださいました。翻訳の実力があるだけでなく、人生を知ったいぶし銀の方です。

翻訳業界に恩師を持つ私は幸せ者です。これからも、めげそうになる瞬間はあるでしょうが、恩師の心に報いるためにも、歩み続けるつもりです。

夕方になりました。良い夜をお迎えください。

Have a nice evening!

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